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【トラブル】かぼちゃの馬車問題が更なる地銀の収益悪化を膨らませる理由

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【トラブル】かぼちゃの馬車問題が更なる地銀の収益悪化を膨らませる理由

社会問題化したトラブル【かぼちゃの馬車】問題はいまだ記憶に新しいところです。かぼちゃの馬車がもたらした被害はオーナーだけにとどまらず、地銀の収益悪化という経済問題にまで発展しています。

今回はかぼちゃの馬車問題が更なる地銀の収益悪化を膨らませる理由について詳しくご説明します。

「収益物件融資案件」に積極的だった地方銀行の苦境

「収益物件融資案件」に積極的だった地方銀行の苦境

近年、日本経済は順調に再生してきたと言われています。2019年現在、株価も19,000円台を回復し、失業者率は2.5%と非常に低い数値となっています。

デフレ経済を脱却しつつあるように見える日本ですが、経済に大きな影響を及ぼしたのがアベノミクスと言われる金融緩和政策であり、これが大きな要因になったのは否めません。

「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」という日本経済の課題を克服するため、安倍政権は、「デフレ※からの脱却」と「富の拡大」を目指しています。
これらを実現する経済政策が、アベノミクス「3本の矢」です。

引用:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seichosenryaku/sanbonnoya.html

かぼちゃの馬車トラブルはアベノミクスのせい!?

異次元ともマイナス金利とも言われる金融緩和政策がデフレ経済の脱却や、経済再生の足掛かりと言った功の部分になっている一方、罪となっている部分にも目を向けないといけません。

罪の部分は銀行業界の収益悪化があります。

銀行の収益が悪化した理由

  • 金利が安くなったため、貸出金利が下がり収益が減った
  • 未曽有の低金利で債券を買って運用しても儲からない

簡単に言えば、金利が安くなった分、貸出金利が非常に安くなったという事と債券の運用なども低金利の為、利ザヤが稼げなくなった事で、収益が悪化しました。地方銀行はほぼ半分が赤字だとも言われています。

収益改善を早急に迫られる中、銀行、特に地銀が注目していたのが、収益不動産に関する融資です。実際に、ここ5年程度は、中古マンション丸ごと1棟の購入や、土地から購入して収益物件を建てるサラリーマン大家さんが非常に増えました。

地方銀行は中小企業の数が限られ、融資先が限定されるため貸出先が見つかりにくい状況です。そのため、土地などの担保がある不動産融資に積極的になり、ほぼ頭金無しのフルローンで融資するようになります。このような流れを受け不動産市況は非常に活況でミニバブルとも言われていました。

特に地銀が積極的に融資を行い、貸出残高も年々増加していき、ミニバブルの様に過熱していく中、新聞にも過熱感を心配する記事が、2017年から2018年にかけて増えてきました。

「かぼちゃの馬車」問題のあらましと「地銀の優等生」スルガ銀行の凋落

「かぼちゃの馬車」問題のあらましと「地銀の優等生」スルガ銀行の凋落

この様な環境の中、発覚した大問題が「かぼちゃの馬車」問題です。都内に女性用のシェアハウスである「かぼちゃの馬車」という物件を、高年収のサラリーマンを中心に販売していました。

かぼちゃの馬車のスキーム

万が一、空室になっても販売会社であるスマートデイズが一括で借り上げて家賃を保証してくれる為、サラリーマンの資産運用手段の一つとして広まっていました。一般的にサブリース契約というのは満室家賃のおおよそ90%程度を保証する事によって、販売会社は満室の場合最大10%の利ザヤを稼ぐ事が出来ます。

かぼちゃの馬車のスキーム

オーナーは家賃保証という安心感を得る事で両者の思惑が合致するのですが、「かぼちゃの馬車」の物件は非常に入居が悪く40%程度の入居率しかなかったと言われています。そうなると販売会社は逆ザヤになり毎月家賃を手出ししないといけなくなりますので、当然ながら行き詰まり倒産という事になってしまいました。

かぼちゃの馬車が失敗した理由

かぼちゃの馬車が失敗した理由

  • 家賃が安いといっても4畳程度しかない部屋で風呂もキッチンも共同というシェアハウスは入居率が悪く40%程度しか埋まっていなかった
  • 入居した女性に運営会社のスマートデイズは仕事を斡旋し、紹介料を得るスキームを考えていたがほとんど稼働していなかった
  • 入居率が悪いため、運転資金を捻出するためにシェアハウスを乱立させ自転車操業していた。
  • 足立区にシェアハウスを乱立させため入居率悪化に拍車がかかり、現在(2019年)では、シェアハウスの家賃が毎月45,000円程度だったのに値引き競争で15,000円程度まで落ち込んでいる。

これで、破たんするサラリーマン大家さんが増えた訳ですが、自分達の資産運用が失敗したのだから自業自得だと思う人も多いかもしれません。

もう一つ大きな”闇”「スルガ銀行」

ここで登場するのが「地銀の優等生」とも言われていたスルガ銀行です。

スルガ銀行は低迷する地方銀行の中で独自のビジネスモデルで5年連続で過去最高益を続け、当時「最強の長官」と言われていた森金融庁長官から「地銀の優等生」とのお墨付きを得ていました。

「かぼちゃの馬車」の物件を購入する際に積極的に融資したのがスルガ銀行でした。

実はこの融資には裏があり、「かぼちゃの馬車」物件の融資は、変造や偽造書類で融資を通ったケースがほとんどで、とても融資できそうもない人まで書類を改ざんして通していました。

ほぼすべての案件に対して、変造や偽造が行われていて、スルガ銀行自体がこのことを黙認したり、アドバイスしていたというから開いた口がふさがりません。

「かぼちゃの馬車」問題に関する第3者委員会の報告書の概要を読みましたが、パワハラも日常的にあり、一人の権力者が人事権なども掌握し銀行経営を歪めていっていました。

パワハラ

「何年後かにはドラマになるな」と真剣に感じたくらいの歪みっぷりで、経営部門の責任は非常に大きいと言わざるを得ないものでした。

これによって、スルガ銀行の収益も完全に悪化、株価も、2018年1月には2,500円近くあった株価も2018年12月末には400円を割る場面も出てくるほどに悪化しています。

急速な不動産市況の冷え込みからくる地方銀行の先行き不安感

急速な不動産市況の冷え込みからくる地方銀行の先行き不安感

過熱気味であった、不動産市況も「かぼちゃの馬車」問題により完全に冷や水を浴びせられ、追い打ちをかける様に同じような変造、偽造書類による融資が明るみになった一部上場企業や地方銀行も出てきました。

完全に不動産投資に関する融資はブレーキがかかり、大幅に減速。

地銀の収益源であった不動産融資が完全に冷え込んでしまい、地銀の経営にさらなる暗雲が立ち込めていったと言っても過言ではありません。

低金利政策はまだ改まる気配もありません。つまり、これからも地銀の収益悪化は続くのではないかと予想する声が大部分であり、地銀にとっては深刻な時期であることは間違いありません。

元々銀行の数も多いのではないかと言われていたのですが、現在の状況により、統合や合併の声更にが高まっています。このような事態を察知してなのか、九州では福岡銀行が早々と他県の地銀をグループ傘下に収めていってます。

そして、長崎県の2大地銀である親和銀行と十八銀行を傘下に収めグループ内で長崎県の銀行を一つに統合しており、今後も様々な形で統合、合併が行われると思われます。

収益物件を有利に購入するチャンス?不動産融資の予想&まとめ

収益物件を有利に購入するチャンス?不動産融資の予想&まとめ

不動産の現場で働いている私にとってここ5年位の不動産売買の状況は”過熱”という言葉が非常にマッチする状態でした。

年間家賃収入が1,000万円の投資物件で、5年前なら高くても1億円(満室時の利回り10%)程度だと言われていたものが、ここ5年以内であれば16,700万円(満室時の利回り6%)でも売れていました。この様な活況な市況は完全に終わりに向かっています。

フルローンでの融資はまず出来ないと考えていいでしょう。最近、銀行の方に聞いた話ですと最低でも2割の頭金が必要になっており、更に審査も厳しくなっています。

金融庁が目を光らせてチェックしているので、暫くは低迷期に入ってくるだろうと思われます。収益物件の値段も落ちてくることは容易に想像が出来るので、売却側も条件が悪くなってきます。

ピンチはチャンス!収益物件を安く買えるチャンス

ピンチはチャンス!収益物件を安く買えるチャンス

しかし、逆に捉えると収益物件の値段が落ちてくるという事は、単純に投資に対する利回りが高くなる訳ですから購入者側からすれば喜ばしい事なのです。

銀行の融資も全く無理なわけではなく、頭金を入れる等のよりリスクを少なくする動きが顕著になるだけです。つまり、銀行の融資が受けられるという事は、その収益物件への投資リスクが低くなると考えられます。

不動産投資がやりにくくなりましたが、今後は購入者に有利な相場が予想されます。

収益物件を購入する際の最重要項目

私が収益物件に投資する際に最も重要視しているのが”場所”です。

交通や環境の良い”場所”の収益物件を購入し、リフォームなどの管理面をしっかり行えば、高リターンを安定して得られる可能性が今後はより高まると言えるます。

2018年に大きな影を落としてしまった「かぼちゃの馬車」問題ですが、今後は大きな金融再編も含め、経済環境はダイナミックな変革の時期が来たのかもしれません。預金金利の低下や不動産投資の冷え込が続くと思われますが、逆風こそがチャンスと言えます。

まとめ

かぼちゃの馬車問題が起きたのはアベノミクスの影響と言っても過言ではありません。かぼちゃの馬車問題で冷や水をかけられた不動産市況は銀行の融資審査が厳しくなり今後も縮小していくと考えられます。

しかし、逆に考えれば物件がこれまでより安く買えるチャンスでもあります。優良な物件も安く買えるので、厳しいとはいえ銀行で融資してもらえれば、低リスクで不動産を運用することができます。

世の中の逆を行くからこそ得るものも大きいと考えられる人だけが大きな富を手にします。

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不動産業界に20年身を置いています。現役の宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)。不動産に関するコンサルタント及びアパート・マンション・一戸建てなどの不動産投資の経験は12年目。

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