急な転勤を会社から言い渡されてローンが残っている持ち家(マンション)をどうしようかと悩んだことはありませんか?
支払いは待ってくれませんし、通常の賃貸に出すと転勤から帰ってきたときに自分の家に住めるとは限りません。
しかし、これらの問題を一度で解決してくれるリロケーションという便利な制度があることをご存知ですか?
あなたが転勤している間だけ期間限定で家を貸すことができるのです。
ここではリロケーションの説明と失敗しない管理会社選びについてご説明します。
リロケーションとは
平成12年に借地借家法が改正され、「定期借家契約」とう契約方法が締結出来るようになりました。こ
れは、あらかじめ契約期間を決めておき、契約満了とともに契約の更新を行わない契約です。
つまり「この部屋は3年間だけ住めます。3年たったら退去して下さい。」と予め契約満了日を設定出来るものです。
これによって自分の持ち家を一時貸しする“リロケーション”が拡がりました。
では、“リロケーション”で部屋を貸す場合、よりいい条件で自宅を賃貸に貸せる方法を失敗例から改善個所を挙げて検証していきましょう。
リロケーションが上手くいかないケース
ケース1:急な転勤で持ち家をどうするか悩んでいるAさん
- 41歳 サラリーマンで既婚、子供2人 年収600万円
- マンションは10年前に新築で購入、残金は3,000万円
- 間取りは3LDK(90㎡)、毎月の返済額は7万円です。
近くにある不動産会社を訪ね、近隣の家賃相場を10万円位と聞いたAさんは、近隣相場程度なら問題なく決まるだろうという考えでその不動産会社に依頼しました。
しかし、中々部屋は決まりません。
最終的に決まったのは募集を行ってから6か月後!しかも家賃を1万円減額しての契約です。
この期間、マンションのローンと引越し先の家賃を2重で払い続けていたAさん。非常に苦しく、不安な気持ちで6か月間を過ごしていました。
何故このケースでAさんのリロケーションは上手くいかなかったのでしょうか?
複数の不動産会社の見解を聞くのがいい条件で持ち家を貸せる第一歩
家賃を決定する時は複数の物件を調査し、大まかな相場を把握。それから、自分の持ち家のプラス面やマイナス面を加味しながら持ち家の家賃を決定していきます。
1社だけの査定ですとどうしても調査に限界があり、情報も限られてくるのです。
1社だけの査定と、複数の不動産会社が査定して決めた家賃ではどちらに妥当性があるかというのは明白です。
私も仕事柄、貸主に頼まれて家賃を査定する機会が多いのですが、10件査定依頼を受けたらリロケーション物件は1件あるかないか程度です。
実は、不動産会社でもリロケーション物件の家賃をいつも査定しているという人は多くないのです。
より、正確性や妥当性がある複数の不動産会社の見解を聞くのがいい条件で持ち家を貸せる第1歩です。
リロケーション物件に近隣相場の賃料をそのまま設定していいのか?
リロケーションは一時貸しですので貸せる期間が限定になってしまいます。
近隣相場物件には、リロケーション以外の物件が多く、リロケーション物件と契約が更新できる普通借家契約ならば、リロケーション物件の方が決まりにくいのは明白ですね。
通常、リロケーション物件は一般物件より1割~3割程賃料を下げて募集を行っています。
1割~3割というのは契約期間や、住環境で多少異なってきます。
契約年数が長ければ長い程一般物件の契約と変わらなくなりますので、一般物件との家賃差は少なくなります。
リロケーション物件の家賃は、物件の価値(公園・駅・病院などの近隣施設)と定期借家の契約年数などを加味する必要があるので、一般物件の家賃算定以上の分析が必要になってきます。
リロケーションを成功させるために!
家賃を設定するには複数の不動産会社がどれくらいの家賃を設定するかが大事と述べました。
しかし、複数の不動産会社を訪問したり問い合わせをするのはサラリーマンならば時間も労力も大変な手間がかかってしまいます。
家賃一括比較サイトを利用しよう
ここでお勧めするのが家賃一括比較サイトです。
一度にネットで登録するだけで複数の不動産会社が持ち家に設定した家賃を連絡してくれます。
その中で、一番高い家賃設定したところを選ぶのも、早く決めたいから複数の不動産会社が出した家賃の平均で設定するのも自由に決める事が出来ます。
では、家賃一括サイトも複数ありますのでどのサイトを選んだらいいのか悩みどころですね。
リロケーション物件の査定を正確に出すならマンション貸す.comがおすすめ
リロケーション物件で家賃設定をどうするかで家賃一括サイトを利用するならおススメするのはマンション貸す.com 。
大手不動産会社から地場の不動産会社まで多くの不動産会社が査定を行い最大6社、1営業日までには家賃を出してくれます。
※早い会社であれば1時間程度で連絡があり家賃査定の結果を出す会社もあります。
先ほど述べたようにリロケーション物件というのはまだまだ少なく、リロケーション契約というのもまだまだ多くはありません。
しかし、一般物件とリロケーション物件ならば多少の家賃差を考える必要があります。
マンション貸す.com には査定内容の聞き取りの中に、リロケーション物件の査定という項目があります。
この項目がない場合は、一般的な物件査定になってしまいますので、正しい家賃見積もりができません。
家賃査定の一括見積のサイトは他にもありますが、リロケーション物件の項目があるのはマンション貸す.comだけです。
複数の不動産会社とアプローチすると、各々の会社でサービス内容が変わります。
家賃を決めるにはどこに注目すべきか?
私は一つの物件に複数の会社が家賃を付けてその物件の募集を取る為に競っている場面を良く目にします。
私の経験から私なりの良い条件での家賃の決め方をここでお伝えします。
一番安い家賃を付けた所はアウト
一番安い家賃を付けた会社は弱気だと見なします。
もしくはお客さんを探すのに自信が持てないかです。
家賃を高く設定するという事は、探しに来るお客さんの幅が狭くなるという事です。この家賃なら自分達は契約できるという自信が無いと高い家賃は設定できません。
この様な理由で、一番安い家賃は断ります。
仲介だけで管理を行わない会社の高い家賃設定は注意
次にもし一番高い家賃を付けた会社が仲介しか行わなかった場合、これも要注意。
管理を行う場合、入居した人とその不動産会社は長く付き合わないといけません。
仲介だけしか行わない場合は、仲介だけできればいいわけですから極端に言えばどんな人が入っても良い訳です。
管理まで行う場合は、変な人を入居させてしまったらあとあと困るのは自分達です。
マンションの所有者からすれば当然ながら良い人が入居してくれた方が良いです。変な人が入って部屋をぐちゃぐちゃにされたらたまった物ではありません。
仲介のみならば入居者の質まで考える必要はありません。
私は、仲介のみの会社の高い家賃査定はあまり信用していません。
下記の不動産会社であればどこを選ぶのか?その理由
不動産会社比較 ※近隣の同条件マンションの平均家賃10万円 | ||||
査定家賃 | 管理費(家賃の何%) | 家賃保証 | 管理会社の業務内容 | |
管理会社A | 110,000円 | 無し | 無し | 仲介のみ |
管理会社B | 90,000円 | 4,500円(5%) | 無し | 賃貸管理有り |
管理会社C | 85,000円 | 8,500円(10%) | 有り(空室2か月後) | 賃貸管理有り |
管理会社D | 100,000円 | 3,000円(3%) | 無し | 家賃集金のみ |
管理会社E | 80,000円 | 8,000円(10%) | 無し | 賃貸管理あり |
上記は複数の不動産会社から見積もりを取り寄せた比較表です。
下記の項目に該当する人の場合はB社・C社のどちらかをおすすめします。
- 賃貸管理に時間がかけられないサラリーマンオーナー
- 管理経験が無く、管理面を重点にお願いしたい人
- 借り手がいないときの家賃保証など安心第一と考えている人
- リロケーション物件で収入を得ようとはあまり考えてない人
A社D社E社がおすすめできない理由
- A社…家賃設定が高くとも仲介のみ。賃貸管理はもちろん家賃の集金もしてくれない。
- D社…家賃集金のみのため、水回りなどのトラブルが起こると対処ができません。
- E社…条件がC社より悪い。
- ちなみにA社やD社を選ぶ方は、
- とにかく強気の家賃設定の人
- ローンが終わって空室期間が長くても問題ない人
- 建築業や不動産業経験者で管理のノウハウが分かっている人
- 管理経験がある人、
- 何か不動産のオーナー経験がある人です。
繁忙期は少し強気でOK
不動産会社の繁忙期は1月~3月です。もしこの時期に、リロケーションするのであれば家賃は強気に設定しましょう。
そして、繁忙期を外れてしまったら少し家賃を下げます。繁忙期は、部屋探しの人は格段に多くなります。
経験から言えば、3倍~4倍は多くなります。この時期は転勤の部屋探しも当然ながら多くなりますので、多少家賃が高くても決まります。
10万円程度の家賃ならば3,000円~5,000円程度上げても決まります。
繁忙期は複数の不動産会社から家賃査定を頼んだ場合、平均家賃より高い設定をした会社を選ぶ方が良いです。
急いで入居して欲しいなら平均値!少し待っていいなら一番上か2番目の家賃
結論から言えば、一番妥当性があるのは平均値です。複数の不動産会社がつけた家賃の平均は妥当性があります。
しかしここで注意したいのは、一番安い家賃は除きます。そして、先程も述べたように仲介のみの高い家賃設定をしたのも外します。
信頼性と責任が無いと思われるような家賃は最初から査定から外します。
その中の平均値であれば長期間決まらないという事はないでしょう。
少し強気で行きたいならば1番上の設定をした会社でもいいと思います。
但し1番上の家賃と2番目の家賃にかなり開きがあった場合はこれも注意して下さい。
とにかく物件を取りたいがために最初に高い家賃設定をして契約をして、長期間決まらなかったら家賃を下げるという手法を取る所も無いとは言えません。
この様な点を注意すればきっと好条件の家賃査定が出来るはずです。
最小限の動きで最大限の成果を上げましょう
リロケーション物件は、家賃設定を間違ってしまうと部屋が埋まらずローンをずっと支払い続けることになるし、安すぎたら機会損失が発生し続けるという事になります。
また、場所が近いから等の理由で1社の不動産会社に任せてしまうのもリスクが伴ってきます。
家賃一括比較サイトを利用すれば複数の不動産会社から客観的な家賃が出ますので、正確な家賃が算定できますし、ネットで完結することもできますのでわざわざ出向く手間も省けます。
ここで手順のおさらいをしてみましょう。
- 家賃一括比較サイトに登録する
- 複数不動産会社の見積もりを集める
- 家賃が一番安いところを除外。家賃が高くても仲介のみの会社は避ける
- 各不動産会社の特徴を理解し、自分の条件と会っている会社を選ぶ
- 不動産会社と契約して物件を任せる
上記の手順で管理会社を選ぶことで、労力が少なく短期間でよい条件で持ち家を賃貸に出すことができます。
ぜひ、この記事を参考にしてください。