ノンバンクと銀行の違いって知っていますか?どちらもバンクという言葉があるので、お金を扱っていることは何となくわかるかと思います。
この記事は急ぎでお金を借りたいが、銀行とノンバンクの違いがわからないので、どちらで借りたらいいのか分からないという人向けに、元貸金業店長を7年やっていた管理人が丁寧にお答えします。
- ノンバンクとは?(詳しい業種など)
- ノンバンクの特徴と銀行との違い
- ノンバンクと銀行どちらでお金を借りるべきか?
【貸金業元店長が教える】ノンバンクと銀行の違い
ノンバンクと銀行の違いってなんでしょうか?あなたが最初に思い浮かぶことは銀行は金利が安く、ノンバンクは金利が高いというイメージではないでしょうか。
元貸金業店長を7年やっていた管理人がもう少し詳しい説明をしましょう。
ノンバンクとは(業務ごとの職種)
ノンバンクとは簡単にいうと「お金を貸すことしかしない銀行」。お金を貸し出すだけ、預金業務を行わないことを「ノーバンク(NOBANK)」と言います。
ノンバンクには様々な業務体型があり、具体的には以下の項目です。
消費者金融
無担保・無保証で貸付業務を行っている会社です。有名な「アコム」「プロミス」「アイフル」などはこちらに属しています。
銀行とくらべると審査が早く、2007年貸金業法の改定で金利が依然と比べて安くなったので利用しやすくなりました。
リース会社
リース会社といえば「オリックスリース」が有名です。
顧客(会社・事業者)の代わりに設備(電話・コピー機など)や機械(プレス機など)を購入し、顧客に貸し出す業務を行っている会社。
大きな会社に入っているコピー機やビジネスホンはほぼすべてと言っていいほどリース契約になります。
リースの最大の利点は「全額損金処理ができる」ので節税効果が高いということ。ほかにもたくさんの利点はありますが、本記事の趣旨とは違ってくるので割愛します。
クレジット会社
クレジットカードを顧客に発行し、融資業務を行う会社。皆さんが良くご存知のクレジットカード会社のことです。「ライフカード」「クレディセゾン」などが有名ですね。
信販会社
ショッピングローンを取り扱う会社。昔でいう月賦払いというものです。クレジットカードを使わずに、顧客にショッピングローン契約書を書いてもらい審査します。
クレジットカードを使わないのでカード枠を使わずに月払いができるのがメリットです。有名どころでは「オリコ」「セディナ」などがあります。
不動産担保ローン業者
個人向け住宅ローン専門の金融会社。
住宅金融専門会社(住専)と呼ばれています。昔はたくさんありましたが、バブル崩壊による住専問題で今残っているのは「共同住宅ローン(株)」という会社だけになります。
事業社金融会社
私が勤務していた業界。個人事業主や中小企業の経営者に最低50万~1000万円くらいまでの融資を取扱っている会社です。
証書貸付・手形貸付・手形割引・不動産担保融資など幅広い商品があります。貸付金額が大きいのに担保を取らず、保証人を立てることで大口の融資が可能になるというシステムです。
近年では、リース会社が消費者金融のように個人ローンを取り扱ったり、信販会社がクレジットカードを発行したりと業界の垣根がどんどんなくなってきているように思います
ノンバンクの特徴
銀行よりも貸付金利が高い
みなさんのイメージ通り、ノンバンクは銀行よりも金利が高いです。それでは、どれくらい違うのか見てみましょう。
- アコムで30万を180日借りた場合の利息は、26,630円※年率18%
- 三井住友銀行フリーローンから30万借りた時の利息は、8,839円※年率5.975%
銀行とノンバンクでは貸付金利が全然違いますよね。
それでは、なぜノンバンクは金利が高いのでしょうか?
その原因は次の通りです。
ノンバンクの金利が高い理由
- ノンバンクが顧客に融資するお金は銀行から借りている(調達金利が高い)
- 審査基準が低いので貸し倒れリスクが高い
ノンバンクは銀行からお金を借りている。(調達金利が高い)
※ここでは話を分かり易くするためにかなり大まかな話をしています。それを踏まえた上でお読みください。
ノンバンクが顧客に融資するお金は基本的に銀行から借りているので、年間2%~9%の利息が発生しています。
逆に銀行は日銀(日本銀行)から変動はありますが約0.3%の金利でお金を借りています。
その差はなんと約10倍~30倍!ぜんっぜん違います!
金融業者にとって金利は仕入れ値段ですので、仕入れ値に約10倍~30倍の差があれば当然売値(貸出金利)も変わってきます。
小売店で考えると、1本のビールの仕入れが銀行では50円とすると、ノンバンクでは500円から1500円払わないと仕入れできないことになります。
同じ商品を扱っているのに仕入れの値段がこれだけ違えば当然小売価格も違ってきますよね?
銀行とノンバンクの金利の違いはここにあります。
審査基準が銀行よりも低い。(貸し倒れリスクが高い)
ノンバンクは銀行に比べて審査基準が甘く、短時間で簡単に融資してくれることが最大のメリットです。
しかし、その分貸し倒れのリスクも高いので金利を高く設定する必要があるのです。
貸金業法の改正前の29.2%くらいがリスクに見合うギリギリの金利でした。現に貸金業法の改正が決まってから、貸金業者の数は最盛期の10分の1まで減ってしまっています。
それくらい貸付審査は難しい業務なのです。
総量規制がある。
総量規制とは、多重債務者をなくすために貸金業法で定められた規制で、ノンバンクは年収の3分の1までしか貸し付けができないという決まりです。
あなたが借り入れをすると、貸し付けた業者が信用情報機関にあなたの借り入れ情報を登録するので、複数の金融会社を回っても年収の3割を超える貸し付けを受けることはできません。
しかし、この制度を逆手にとって消費者金融で借りられなくなった人たちが銀行ローンを利用するようになりました。
結果、破産者が大幅に増え社会問題化してしまったことがあります。
これを受け、2017年銀行カードローンは総量規制の対象外とはいえ、自主ルールを設け多重債務者の軽減を行うようにしているんですね。
金利が高い分、サービスが良い
ノンバンクは金利が高い分、サービスが充実しています。
返済が1周かに内だったら無金利だったり、最短30分で即日融資を行ってくれたり、ATM手数料が無料だったり、土・日・祝日でも融資を行ってくれたりと銀行では考えられないサービスを受けることができるんですよ。
適用される法律が銀行とは違う
銀行は銀行法。ノンバンクは貸金業法という法律が適用されます。貸金業法とは、前述した「総量規制」も含む「上限金利」や「貸金業者に対する規制」などが盛り込まれた法律のことです。
ノンバンクと銀行どちらからお金を借りるべき?
基本的に銀行から融資を受けるのが一番いいですが、銀行は審査がことのほか厳しく、
フリーローン(資金使途は自由)とは言いつつも資金使途がはっきりしていないと融資してくれないことが多いです。
収入証明の提出や本人が銀行の開いている時間に窓口へ来店するなど、とにかく時間と手間がかかります。その分、金利は安いですけどね。
- 金利が安い
- 審査が厳しい
- 手間と日数がかかる
その点、ノンバンクではウェブ上ですべて手続きが完了し、最短即実の融資を受けることができます。
郵送物もなく、カードの発行もないところもあるので誰にもバレる心配がありません。
銀行と金利が違うとはいえ、長く借りなければ金額的にはそう大差はありません。急ぎでお金が必要、誰にも知られたくないならノンバンクがおすすめです。
- 金利が高い
- 審査が簡単(WEB上で完結できる)
- 最短即実融資
ノンバンクを利用した方がいいケース
時間がない
急な飲み会やその時にしか手に入らない限定商品など、突発的にお金が必要になった時には銀行系のカードローンでは時間的に間に合いません。
2~3日中にお金が必要な場合はノンバンクを利用した方がいいでしょう。
大手のノンバンクであれば、審査時間が最短30分のプロミス・アコム・アイフル・SMBCモビットなどがあります。
審査時間が短いノンバンク
プロミス・アコム・SMBCモビット
誰にも知られたくない
家族に自分が借り入れしていることを知られたくない人は「郵送物が送られてこない」「カード発行無し(カードレス)」のローン会社を利用する方がいいでしょう。
輸送物がなくかつ、カードレスのローン会社はSMBCモビット・プロミス・アイフル・レイクALISA・ジェイスコアなどです。
借りるときは自分のスマホに届いているIDとパスワードを入力するだけで簡単に借り入れすることができます。
郵送物やカードレスのローン会社
プロミス・アイフル・レイクALISA・SMBCモビット・ジェイスコア
審査に自信がない
以前、延滞を起こしてしまった。
家族の金銭トラブルに巻き込まれてしまったなどの経験がある人は、比較的審査が通りやすいローン会社をピックアップしましたので、下記より申し込みしてみてください。
狙い目は中央リテール・アロー・スカイオフィスなどの中小の金融機関がねらい目。
のプロミス・アイフルなどの大手金融機関は申込数も多いことから信用情報に難があるとすぐに審査を落とされてしまいます。
審査が比較的甘い業者
中央リテール・アロー・スカイオフィス。フタバ・キャレント
銀行系のカードローンを利用した方がいいケース
複数の借り入れを1本化してまとめたい
現在複数の金融機関から借り入れを起こしていて支払いが面倒だと思っている方は、銀行のおまとめローンがおすすめです。
おまとめローンのいいところは、総量規制の自主ルールで定めている上限金額を超えても融資してくれる可能性が高いというところ。
150万円のローンをまとめるために200万円の融資を受ければ、50万円近く金利が安くなったお金が手元に残ることになります。
金利重視
金利を重視するのであれば、銀行系のカードローンを利用しましょう。100万円までの融資金額であればノンバンクの場合は約18%。
銀行のカードローンは約14%になります。年率4%の違いは思ったよりも大きいです。
専業主婦の方
専業主婦の方は、申し込み本人の収入がないので、ノンバンクでの借り入れは難しくなります。
しかし、銀行系のカードローンであれば旦那さんの収入が安定していれば審査が通る可能性が高いです。
まとめ|ご利用は計画的に
ノンバンク・銀行どちらから借り入れを起こすにしても、借金は借金です。
返済計画をよく考え、無理のない利用をすることを心がけましょう。
- ノンバンクと銀行の違いは預金業務があるかどうか
- ノンバンクは銀行よりも金利が高いが、休日でも営業していたり即日融資してくれたりサービスが充実している
- ノンバンクの方が金利が高いのは銀行との調達金利に10倍~30倍ほどの差があり、貸し倒れのリスクも高いから
- 急ぎの利用はノンバンクでないと間に合わない。すぐに返済すれば、支払金額は銀行で借りるときとそんなに変わらない