両親が元気なうちに探そう!失敗しない親の為の老人ホームの選び方

両親が元気なうちに探そう!失敗しない親の為の老人ホームの選び方

40代になると両親の介護問題が気になりますよね。

今は元気な両親も、いつどうなるか分からないという不安は残ります。

老人ホームに入るにしても、あまり考えずに決めてしまっては、入所して高額な費用を払ってしまった後に後悔するケースは本当によくあるんですよ。

今回は、失敗しないための老人ホームの選び方のポイントをご紹介します。

ポイント
  • 親が元気なうちの老人ホームを探す理由
  • 老人ホームの探し方のポイント
  • 老人ホームの種類
  • 老人ホームの費用や相場

▼親の老後や自身の経済状況を真剣に考えている方はこちらもチェック▼

>>親の老後を考える。親子で共倒れした実例と正しい対処法【まとめ】

親が元気なうちから老人ホームを探す理由

親が元気なうちから老人ホームを探す理由

結論から言うと、親が元気なうちから老人ホームを探す理由は、老人ホーム選びで失敗しないためです。

今は元気な両親でも、歳を重ねると、色々な身体の不調や機能低下が出てくるものです。

いつまでも20代のように、少し休めば体力が回復する身体ではいられません。

いざ老人ホームを探そうと思っても、大事な住まいとなる場所をそう簡単に探せるでしょうか?

答えは、No。

なぜなら、老人ホームも色々と種類があり、入りたい時にピッタリなホームを見つけられるかどうかは分からないからです。

もし、空きのある老人ホームに慌てて入ったとしても、外出の機会がへり、生き甲斐をなくすことで認知症を発症するケースも少なくありません。

老人ホームに入っても、やっぱり老人ホーム生活は合わなかったという理由で退所される方もいらっしゃいます。

入所後に「こんなはずじゃなかった」といった出来事が、多くあるのでしょう。

施設で働いてる方とお話をすると、「普段は会いに来ないのに、クレームだけはよく言いに来る」という身内の方がいるとよく聞きます。

なぜこういうことが起きるかというと、施設と家族の連携が取れていないからです。

いざ老人ホームに入ろうと、色々な施設見学を計画しても、両親の体力を考えると多くの施設見学は難しいでしょう。

親が元気なうちにどのような施設があるか知り、家族で話し合うことがなによりも大切です。

老人ホームの探し方のポイント

老人ホームの探し方のポイント

老人ホームの探し方のチェック項目

  • スタッフの対応はどうか?
  • すでに入居されている人がイキイキしているか?
  • 自分の趣味が続けられる環境にあるか?
  • 気軽に誰かが会いに来れる雰囲気か?

人生の最後になるであろう住まいになるので、上記の項目は最低限チェックしておきたいところです。

施設見学の際は、あらかじめ知りたいことをチェックリストにして疑問は必ず早いうちに解決しましょう。

老人ホームスタッフをよく観察する

老人ホームスタッフをよく観察する

正直、どこの施設も充分な人材が確保できていないと考えて良いでしょう。

現場のケアスタッフは、ただでさえ人手が足りていない現場で人一倍の仕事をしています。

つまり、入所しても一人一人が、「十分なケアを受けられるとは限らない」と思った方が無難です。

こればかりは、一度の見学で分かることではありません。

出来れば多くのスタッフに声をかけて、どんな対応をするか観察しましょう。

忙しそうで、あいさつしても気づかない、施設見学者に興味も示さないとすれば、おそらく運営体制が不十分。

逆に、スタッフがイキイキして働いている様子が見受けられたなら、人材も定着しており、たとえ人手不足だったとしても人材教育に力を入れている可能性があります。

入居する側としては後者の方が安心できますよね。

入居すれば、スタッフは一番身近な存在になるのです。

しっかりチェックしておくことをおすすめします。

すでに入居している人の表情をよく見る

入居者は、先輩です。

すでに入居されている人を観察してみてください。

笑顔が多くみられますか?

もし、見学している施設に入るとしたら、よく顔を合わせる人になるわけですから、どんな人がいるのかよく見ておきましょう。

入居者の表情は、サービスの質そのものを表しています。

趣味を続けられる環境が整っているか

趣味を持つことは、健康寿命を保つためにとても大事なことです。

今の趣味を続けることができるか、ここは必ず押さえておきましょう。

趣味がないという方でも何か見出せる環境であるかどうか、例えば「人との交流やレクレーションが充実しているか」必ずチェックしておきたいところです。

面会は気軽にできる

老人ホームに入ることで、今まで遊びに来ていたお友達が来なくなった!

なんてことのないように、気軽に人が来れる環境であるか確認しましょう。

安心安全を優先するあまり、セキュリティばかり重視しがちですが、友人が気軽に遊びにこれる環境もとても大切なことです。

老人ホームの種類

老人ホームの種類

老人ホームや介護施設は、民間型と公共型の大きく2つに分けられます。

老人ホームの種類|民間型施設

民間型の老人ホームには下記の種類があります。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • グループホーム
  • 住宅型有料老人ホーム

民間型は民間の事業者が運営している施設。役割に応じてサービス内容も違います。

介護付き有料老人ホーム

テレビCMでよく見かけるほとんどがこの有料老人ホームで、都道府県の認可を受けたホームです。

介護付き有料老人ホームは、「介護専用型」という要介護者だけが入居できるタイプと、自立した状態でも入居できる「混合型」というタイプがあります。

グループホーム

認知症の方向けで、5~9人を一つのグループとした少人数のホームです。

機能訓練もかねて料理をみんなで作ったり、家事を分担して行いながら、入居者みんなで共同生活をおくるのが特徴。

地域密着型の施設とも言えます。

入居条件は、要支援2以上で65歳以上の高齢者です。

住宅型有料老人ホーム

自立から要介護の高齢者が入居可能な老人ホームです。

レクレーションやアクティビティなどのイベントが多いのが特徴で、清掃や食事などの生活サービスもあり、医療連携や緊急時対応に備えているのも安心ポイント。

基本的に、生活の自立が可能な人が入居する印象が強いですが、介護が必要となった場合には、訪問介護や通所型のデイサービスなどを利用することになります。

老人ホーム種類|公共型施設

公共型の老人ホームには下記の種類があります。

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護療養型医療施設(療養病床)

の3種類です。

主に社会福祉法人や自治体が運営しており、介護保険施設とも言います。

特別養護老人ホーム

在宅での生活が難しくなる要介護3以上の方が入居でき、長期入所が可能で、終身まで介護を受けることができます。

有料老人ホームと比べても料金がとても安く、地域に差はありますが、入居待ち状態です。

とはいえ、厚生労働省の調査によると、2014年は52万人が入居待ちの状態でしたが、2017年では29.5万人に減少しています。

これは2015年に入居条件が厳しくなったことと、人材不足などによる施設体制の問題が影響しているのが原因なので、改善しているわけではありません。

待機していた人の中には、入居条件に合わなくなったり、24時間、看護スタッフがいるわけではないので、病状が重い状態では入居できないケースもあります。

要介護の認定を受けたら早めに老人ホームを検討した方が良いでしょう。

介護老人保健施設

リハビリや医療ケアが中心で、医師や看護師などさまざまな専門職のスタッフが常駐しているのが特徴です。

しかし、自宅での生活を再開するための施設なので、入所できる期間は、基本的に3~6か月ほど。

介護老人保健施設は、厚生労働省で介護保険法第8条第28項により、医学的管理の下、リハビリ・医療・介護のサービスが決められています。

つまり、入所者の多くは、病状が安定して入院が必要でなくなった、退院直後の要介護1~5の方です。

入院をすると、絶対安静で筋力も衰えがちになります。

要介護状態で入院することになった場合は、退院後のリハビリとして介護老人保健施設も検討すると良いでしょう。

退院後は特に介護が必要になりますので、施設の活用で家族の負担も軽減されます。

介護療養型医療施設

療養型」や「療養病床」とも呼ばれる施設。

重度の緊急治療により、退院後の長期的医療ケアが必要な要介護者が入所されています。

病院に併設されているケースもあり、痰の吸引や注射、栄養を胃に直接入れるなどの医療ケアの充実が特徴です。

このタイプの施設は、あくまでも医療施設。

医療施設にも関わらず、介護保険も使える施設なので、医療と介護の区別があいまいになってしまっていたことに問題があり、厚生労働省は2017年度末で施設廃止を決めました。

すでに廃止になっているとすると、今利用している人、これから利用したい人は今後、どうなるのか気になるところですよね。

介護療養病床は現在、経過措置期限中で2023年度末まで移行期間になります。

それまでに、介護老人保健施設老健などに移行するのか、今後新しい施設が開設されるのか将来的に不安が大きいです。

元気なうちにできるのは、重症の病気にならないよう介護予防と健康的な生活を送ることにかぎります。

老人ホームの費用や相場はどれくらい?

老人ホームの費用や相場はどれくらい?

老人ホームの費用相場といっても、地域によって大きく差は出てきます。

>>老人ホームの費用相場

上記サイトにて、全国の老人ホームの相場が、都道府県別で調べられます。

ご希望の地域で検索し、参考にしてみてください。

下記は全国の平均相場をまとめています。

民間型の老人ホーム(グループホーム)相場

施設名 入居時にかかる費用 月額費用
介護付き有料老人ホーム 入居時:数十万~数百万(全国相場)
※入居金なしで月額費用を高くする選択肢を設けているところもあります。
月額:7万~22.1万円(全国相場)
グループホーム 入居時:0~百万円 月額:15万~20万円
住宅型有料老人ホーム 入居時:0~数千万円 月額:10万~100万円

住み慣れた地域で気軽に外出もできるのが理想ですが、自分が後何年生きるかはわかりません。

入居金は想定される入居期間を基準に計算されます。

つまり想定以上に、長生きすればするほどお金もかかりますよね。

長生きした時に、施設にとって負担な存在になってしまうということを、知っておきましょう。

民間型は長生きはリスクであることを理解しておくことが大切です。

公共型の老人ホーム(グループホーム)相場

施設名 入居時にかかる費用 月額費用
特別養護老人ホーム(特養 入居時:なし 月 額:6~15万円
※部屋のタイプや日常の生活にかかる費用で多少変動します。
介護老人保健施設(老健) 入居時:なし 月 額:8~13万円
※部屋のタイプ、介護度により加算されます。
介護療養型医療施設(療養病床) 入居時:なし 月 額:10~20万円
※個室などにすると加算されます。

公共型は基本的に入居時の負担はありません。

しかし、入れる条件も民間型に比べ厳しいのが特徴です。

介護保険や公的な制度が利用できる老人ホーム(安い老人ホーム)の探し方

介護保険や公的な制度が利用できる老人ホーム(安い老人ホーム)の探し方

理想は、安くて良いところに住めるのがベストです。

老人ホームの良い悪いは値段ではありませんが、使える制度を活用し、少しでも安く入居できたらベストですよね。

安くて長く居られることで、圧倒的人気なのが「特別養護老人ホーム(特養)」。

要介護3以上でないと入れません。

ここを狙うなら、介護度にとらわれず、要介護状態になった時点で、特養へ見学に行き、早めに検討しましょう。

入居したい時に入ることが出来れば良いですが、人によっては何年も待っているという方がほとんどです。

公的な制度を使って、安く老人ホームに入ろうとすると、たくさんの条件(たとえば生活保護受給者など)にクリアしていなければなりません。

あまり贅沢はできなくなります。

値段ばかり安くしようと気にして、生活保護受給者になったとしたら、あまり贅沢はできなくなります。

亡くなった後のお葬式もまともにすることもできません。

いつ何が起きるかわかりませんが、老後の資金に見合った生活を送ることが、ストレスなく快適な老後を過ごす秘訣です。

親と老人ホーム探しをすることで、もしかしたら「やっぱり施設ではなく、住み慣れた自分の家に最後までいたい。」という気持ちも芽生えるかもしれません。

介護を受けながら一人暮らしをしている高齢者もたくさんいるのも事実。

訪問介護や通所型のデイサービス、何泊か泊まれるショートステイなども活用すれば、ホームに入るより断然安く生活ができます。

日本は、高齢化社会で将来は不安ばかり。

もし、日本にこだわらないのであれば、海外に住居を移す方法もおすすめです。

アジアであれば年金だけの資金で、十分な暮らしができます。

元気なうちに住居を移し、もし介護が必要になったときは、専属の家政婦さんやヘルパーをつければ良いのです。

日本の高齢者をターゲットに海外にグループホームを造り、第二の人生をリゾートで暮らすような施設も少しずつ増えてきています。

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