トヨタが始めた定額乗り放題(KINTO)というサービスをご存知ですか?
3年契約で月々定額の支払いをすることで、ガソリン代と駐車場代以外の経費はかからずに車に乗れるというサービスです。
今回はKINTOのサービス内容やシステム・料金・いつからサービスが開始なのかを詳しく説明していきたいと思います。
- トヨタ定額乗り放題サービス(KINTO)のサービス内容
- 対象の車種と料金の一覧
- 定額制のメリット・デメリット
- トヨタの狙いは?
- トヨタ以外の定額乗り放題サービス
トヨタ定額乗り放題とは?値段とシステムは?サブスクリプションって?
2月6日、トヨタ自動車トヨタファイナンシャルサービスと住友三井オートサービスの出資会社である株式会社KINTOは好きな時に好きな車種に乗ることができるサブスクリプション(定額利用サービス)「KINTO(キント)」をスタートさせました。
コンセプトは「好きな車、乗りたい車を自由に選び、好きなだけ楽しめるようになる。思いのままに移動でき、環境にも優しい「筋斗雲」をイメージしたサービス名称」とのことで、このサービスは主に2つのグレードから選択が可能になっています。
車種、料金などはグレードによって異なり、サービスは全国のトヨタ販売店とwebサイトからの申し込みが可能。
商品を購入するのではなく、必要な時にだけ料金を払って商品を使用するという支払い方法。
代表的なサブスクリプションの例:
- 「Hulu」「NetFlix」などの動画配信サービス
- 「AppleMusic」「GooglePlayMusic」などの音楽配信サービス
KINTOの車種と料金の一覧
月額料金は下記2種類のグレードによって異なり、月額料金内に自動車税や任意保険、登録費用、車両のメンテナンスの手続きなどがすべて含まれた完全月額定額サービスです。
また、KINTOが厳選したオプションパッケージから好きなプランを選択することができ、いずれのプランも3年間の契約が条件となっています。
月額料金に含まれるもの
- 車両代
- 税金
- 修理費用
- 任意保険
- 定期メンテナンス代
料金プラン1.KINTO ONE(3月1日より東京都内のトヨタ販売店及びレクサス販売店でトライアルを実施)
車種:プリウス、カローラスポーツ、ベルファイア、クラウン、アルフォード
内容:5車種から1車種を選択して3年間乗り続ける(2019年秋以降から対象機種を増やす予定)
契約期間:36か月
料金:グレードやオプションによって異なる(例:プリウス月額49,788円〜59,832円/クラウン月額97,200円〜106,920円)
車種 | 月額料金 |
プリウス | 49,788円~59,832円(税込み) |
カローラスポーツ | 53,460円~63,396円(税込み) |
ベルファイア | 81,000円~95,040円(税込み) |
クラウン | 97,200円~106,920円(税込み) |
アルファード | 85,320円~99,360円(税込み) |
料金プラン2.KINTO SELECT(2月6日より東京都内のトヨタ販売店及びレクサス販売店でトライアルを実施)
車種:レクサスのみ
内容:ES300h、IS300h、RC300h、UX250h、RX450h、NX300h 6機種を半年ごとに乗り換え3年間使用。最上級車LSは対象外。
- 契約期間:36か月
- 料金:月額194,400円(税込み)
2019年秋以降には付帯サービスとして安全運転やエコ運転などの使用状況をポイント化して支払いへの充当などが可能な「愛車ポイントサービス」を導入予定となっています。
KINTOの特徴的なサービスとして、プリウス以外の全車両にDCM(Data Communication Module 車専用の通信機)を装備。
このDCMのデータから利用者の走行が把握できる為(契約には利用者の承認も含まれる)、利用者は安全に運転すれば価格が安くなるという仕組みです。
KINTO SELECTは月額19万・・・購入した方が安い気がしますが、どのような方が利用するのかかなり気になりますね。
※36か月以内で解約した場合…違約金が発生する。海外転勤や免許返納などの例外事項については違約金は発生しない。
サブスクリプションのメリット・デメリット
定額制のメリット
一番のメリットとしては、自動車税や任意保険・車検代・定期メンテナンス代などの維持費用がかからず、ガソリン代と駐車場代だけですむので、分かりやすく気軽だという点。
例えばプリウスで3年間維持した場合、自動車税118,500円・任意保険304,650円、車検代76,530円で合計499,680円、
この他にも1年間ごとのオイル交換や点検で57,600円がかかります。※上記はシュミレーションの為、条件によって異なります
他のメリットとしては条件を満たせば他の車種に乗り換えができるので飽きがこないという点。
定額制のデメリット
一方、KINTOのデメリットは対象車種がトヨタ車とレクサス車だけに限られている点と、使用頻度によっては購入するより割高になる可能性がある。
例えばレクサスは月額19万、年間だと228万もかかってしまうことになります。
なぜ、トヨタは定額乗り放題のサービスを始めたのか?
トヨタが定額乗り放題サービスを開始させる背景には、ライフスタイルの多様化や若い世代の車離れを始めとする販売台数低迷と、
今後も縮小が予想される業界において幅広く顧客の獲得を図りたい思惑が見て取れる。
自動車検査登録情報協会の公表している国内の2018年年間車所有率は61,584千台(対前年100%)と頭打ちになっており、
総務省の全国消費実態調査の年代別自動車普及率の推移によると29歳以下の世帯では2009年から2017年までの8年間で59%から47%と約11%も下がっており
、若い年代は車を所有しなくなっていることが鮮明になっています。
一方、2018年5月時点のカーシェアリングの会員数は130万人を超え、今後も右肩上がりの推移が予想される。
こうした流れの中、トヨタは「単なる移動手段ではなく、好きな車、乗りたい車を自由に選ぶという新しい車の持ち方を提案していく」とコメントを発表しています。
トヨタ以外の定額サービスは?
国内ではガリバーグループの「NOREL」
同様のサービスとしては中古車販売ガリバーのグループ会社であるIDOMが2016年より月額乗り換え放題サービスの「NOREL」を先着100名で開始。
新車は79,800円〜、中古車は59,800円の月額料金となっており、予約開始から24時間で受付終了したほどの反響となりました。
2018年2月からは沖縄を除く全国でサービスを開始させましたが、IDOMのメリットといえば車両の多さ。
母体がガリバーということで国内外の人気メーカーの車を網羅しており
(2016年時点で累計900車種・600台以上のラインナップ)、国産車だけでなく輸入車、古い年式の車種もあるため、憧れの車に乗ることも可能になっています。
※最短90日で乗り換えが可能
更に車の状態も写真で確認することができる為、実際に乗る際に「イメージと違った」などのトラブルもなさそうです。
また、BMWやMINIのラインナップを追加するなど今後も更なるサービスを拡充することが予想されます。
その他の海外車メーカー
その他、サブスクリプションを実施する大手海外メーカーをご紹介します。
- ゼネラル・モーターズ(GM)…2017年に「BOOK by Cadillac」名でサービスを開始
- フォード…2017年サービスを開始しました。
- ポルシェ…「Porsche passport」を開始
- BMW…2019年4月に「ACCESS by BMW」をアメリカで開始予定
- アウディ…2018年9月から「Audi select」を開始
大手自動車メーカーはアメリカを中心にサブスクリプションサービスが浸透しつつあります。
既に会員数が130万人を超えたカーシェアリングサービスとの違いは「車を所有したい」というターゲットに向けたサービスということでしょうが、
月額費を高いととるか安いととるかが今後の普及ポイントになることだけは間違いなさそうです。
カーリースという選択肢もある
サブスクリプションと似たようなサービスに、カーリースがあります。
まだまだ認知度の低い、車のサブクスリプションに比べて、カーリースはアメリカでは商用車なら80%、自家用車なら半数がリース契約と言われています。
日本もアメリカの水準に達するのにそう長くはかからないでしょう。
国内でのカーリースは代表的なところでは、コスモ石油の「スマートビークル」・オリックス自動車と提携している「カルモ」があります。
中でも、コスモ石油のスマートビークルは、下記のメリットがあります。
スマートビークルのポイント
- 毎月支払いが定額で出費が一定になり、家計を気にすることなく新車にれる
- 車のメンテナンスはすべてコスモ石油にお任せでき、車のことがよく分からない方でも気軽に利用できる
- コスモ石油で給油するとガソリン代最大5円/リットル割引
これに対して「カルモ」はオリックス自動車と提携していることから、下記のメリットがあります。
カルモのポイント
- 新車平均保有期間の7〜9年の料金体系は業界随一の安さ
- 色んなメーカーから新車が選べる
- すべての車の特徴をプロが紹介してくれる
- メンテナンスプランに加入すると整備費用までも定額制にできる
- 自宅に納車してくれる
大手で安心感がある方を選ぶなら、コスモ石油の「スマートビークル」。料金の安さで選ぶならオリックス自動車と提携している「カルモ」を選ぶといいでしょう。
まとめ
サブスクリプションはまだまだ認知度が低く、定着するには時間がかかりそうですね。
定額制のメリットを「借りるのではなく、所有したい」と考える消費者にメリットをどれだけアピールできるかが今後の市場の伸びに大切なポイントだと思います。
関連記事