ケトジェニックダイエットは健康に良くない?体に及ぼす影響は?

ケトジェニックダイエットは健康に良くない?体に及ぼす影響は?

ケトジェニックダイエットって実際どんなダイエット方法かご存知でしょうか?

おおよその人が糖質制限でしょ?と思うかもしれませんが、多少異なるんですよ。

テレビや雑誌などでケトジェニックダイエットが大きく取り上げられ話題になっている中、「ケトジェニックダイエットは健康に良くない」とも言われています。

今回の記事ではケトジェニックダイエットは健康に良くない?体に及ぼす影響とは何なのかを解説しますね。

この記事で分かること

・糖質は必須栄養素ではないと厚生労働省の発表について

・ケトジェニックダイエットは筋トレ中にやるのは悪影響

糖質は必須栄養素ではないと厚生労働省が発表

糖質は必須栄養素ではないと厚生労働省が発表

厚生労働省は、2015年発表の「日本人の食事摂取基準」において、糖質は必ずしも摂取するべき栄養素ではないことを認めました。

人間には、「糖新生」という体内で糖質を作り出す機能が備わっているため、わざわざ外部から摂取する必要はないというのが主な理由です。

体内で糖質を作ることができるにも関わらず、低血糖という状態になって、頭がふらふらしたり、気分が悪くなったりした経験はないでしょうか。

実は低血糖の主な原因は、糖質を大量に摂取しているという点にあるのです。

糖質を知らずのうちに大量に摂取することで、血糖値が急激に上がり、身体が正常値に戻そうと大量のインスリンを分泌します。

インスリンの大量分泌が行われたことで、急激に血糖値が下がり、いわゆる低血糖の状態になってしまうのです。

ケトジェニックダイエットは筋トレ中にやるのは悪影響

ケトジェニックダイエットは筋トレ中にやるのは悪影響

米国セントルイス大学、エドワード・ワイズ准教授によると無酸素運動中にはケトジェニックダイエットが良くない事が判明しました。

ケトジェニックダイエットを行うことで、筋肉量を減らし、無酸素運動のパフォーマンスを落としてしまうためです。

無酸素運動は、主に筋トレや短距離走系の種目などを指します。

ケトジェニックダイエットは、筋肉や脂肪を分解してエネルギーを生産するため、筋力強化の必要な無酸素運動には不向きなのです。

エドワード・ワイズ准教授ら研究では、ケトジェニックダイエットを行った場合の、無酸素運動のパフォーマンスの向上は見られなかったとの結果が得られています。

この結果は、ケトジェニックダイエットを行ったことによる、副作用ともいえるでしょう。

筋肉をつけたり、筋力増加を行いたいという場合には、低炭水化物の食事は避けるべきです。

無酸素運動とは

短時間で筋力を使い果たす様な短距離走・ウエイトトレーニングなどの筋トレなどを指し、競技としての目安は3分前後の運動です。

無酸素運動とは運動中に筋を収縮させるためのエネルギーに酸素を使わないで、短時間の運動で筋肉を鍛えることができます。

ケトジェニックダイエットが否定されている7つの理由

ケトジェニックダイエットが否定されている7つの理由

ケトジェニックダイエットは、辞めたあとにリバウンドを起こしやすく、その他にも様々な副作用を引き起こすことがあるため、否定する論説も存在しています。

否定されている原因としては、以下の7つが挙げられますが、まだ研究段階なためケトジェニックダイエットが賛否両論に分かれている原因です。

今回は、ケトジェニックダイエットがダメだと言われている内容をご紹介します。

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カルシウムバランスが崩れる

カルシウムバランスが崩れてしまうことで、骨のミネラル減少や腎臓・尿路結石を引き起こすリスクが高まります。

カルシウムは、人間の身体に必要なミネラルの一種です。

偏った食事方法をとるケトジェニックダイエットでは、体内のミネラルバランスが崩れることでカルシウムのバランスも崩れてしまいます。

カルシウム不足となることで、骨の形成に必要なミネラルが減少してしまい、骨折のリスクも高まるでしょう。

また、カルシウム不足になるからと言って、大量にカルシウムを摂取することも、身体には良くありません。

体内のカルシウム量が過剰となると、尿中に排出されるようになります。

尿中のカルシウム濃度が高くなることにより、腎臓や尿管内に石を作ってしまい、腎臓結石・尿路結石を引き起こしやすくなるのです。

体の酸塩基バランス(㏗)が崩れる

体内の酸塩基バランスの崩れは、呼吸機能の低下や意識低下、脱水症状を引き起こす原因となります。

身体のエネルギーを作る仕組みが、ケトン体回路優位のエネルギー代謝へシフトすることで、血液中のケトン体が上昇してしまうことが原因です。

ケトン体は、医師の間でも命に危険を及ぼす恐ろしいものと考えられています。

ケトン体が上昇すると、血液が酸性に傾き、アシドーシスという状態になることで、息苦しさを感じたり意識がもうろうとしてしまうのです。

ケトジェニックダイエットでは、積極的にケトン体を発生させることになるため、酸塩基バランスが乱れやすくなるでしょう。

命の危険に直結しやすいため、ケトジェニックダイエットに対して否定的な意見が多く出てきているのです。

筋肉量の低下

ケトジェニックダイエットでは、筋肉量の減少が起こりやすく筋肉が付きにくい状態になります。

たんぱく質を分解することでエネルギーを生み出しますが、この時まず分解されるのが、筋肉です。

たんぱく質をケトン体に変えるとき、筋肉、脂肪の順番で使用されます。

先に筋肉を分解してしまうことで、筋肉量の低下が起こってしまうのです。

アスリートや筋トレ中の人に、ケトジェニックダイエットがおすすめされない原因は、主に筋肉量の減少が起こってしまうことにあるのでしょう。

エネルギー代謝として、筋肉を分解しケトン体を作るとき、全身のあらゆる筋肉から分解を行います。

全身の筋肉量が減少することにより、身体が動きにくくなり、転倒や骨折のリスクも上昇するでしょう。

また、感染症にもかかりやすくなり、死亡率が上昇することも専門家の間では指摘がされています。

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体に必要な栄養素(微量元素)の低下

食事の栄養素が偏りやすく、栄養不足やセレニウム、銅、亜鉛などの微量ミネラルの欠乏を起こしやすくなることが指摘されています。

微量ミネラルが欠乏することで、口内炎や吐き気、下痢などの症状を引き起こす原因に。

主に、高カロリー輸液を行っている高齢患者さんに多い症状です。

通常の食事をしていれば、微量ミネラルが不足することはほとんどありません。

しかし、ケトジェニックダイエットでは極端に偏った食事になりやすいため、微量ミネラルが不足しやすくなります。

上記に挙げた症状以外にも、爪の変形や脱毛、顔に水疱・化膿・発疹ができたりすることも、微量ミネラルが不足したときの特徴的な症状です。

微量ミネラルの不足が深刻となると、心不全を起こすこともあり、命の危険もある恐ろしい状態となってしまうこともあります。

脂肪肝・肝障害・脂肪肝炎

ケトジェニックダイエットによって、脂肪を燃焼しているにも関わらず、肝臓では脂肪をため込むという現象が起こり、悪化すると肝障害を起こすこともあります。

ケトン体回路が優位となって、脂肪や筋肉をエネルギー源としていると、身体は飢餓状態にあると勘違いを起こすことが原因です。

身体が飢餓状態にあると判断すると、生命維持に必要なエネルギーを肝臓に貯蓄しようと、脂肪分をため込む防御反応が起こります。

肝臓に脂肪が貯蓄されすぎた結果として、脂肪肝や肝障害、脂肪肝炎を引き起こしてしまうのです。

特に女性の場合は、肝臓の働きが男性よりも弱いため、肝障害のリスクは高い傾向にあります。

肝臓は、状態が悪化するまでなかなか症状が出てこない臓器なので、一見健康そうに見えていても、注意しておく必要があるでしょう。

コレステロールの増加

コレステロールが高くなる原因は、糖質を制限し、脂肪分が多めの食事に変化したことでしょう。

コレステロールは、高脂肪の食事を続けることで上昇。

糖質を制限したことで、身体が脂肪分がたくさん入ってきていると判断してしまい、結果としてコレステロールの値が高くなるのです。

ケトジェニックダイエットの食事を長期間続けることで、LDLコレステロールが上昇し、糖尿病や動脈硬化のリスクが高まります。

LDLコレステロールは、血管の内側の壁を硬く変化させてしまい、血液が詰まりやすくなる原因を作ってしまうのです。

ケトジェニックダイエットによって、突然死のリスクを上げないためにも、このダイエット法が推奨されていない理由と言えます。

体に悪影響を及ぼす酸化ストレス増加

ケトジェニックダイエットの栄養の偏った食事を摂ることで、酸化ストレスを増やし、生活習慣病にかかるリスクを増やしてしまいます。

脂質を燃焼させてエネルギーを生み出すケトジェニックでは、体内の酸化反応が多くなってしまうことで、酸化ストレスを増やしてしまうのです。

酸化ストレスが増加すると、がんや生活習慣病にかかりやすくなります。

また、シミやしわの原因になったり、疲れやすくなったりといった症状も出てきやすくなるでしょう。

酸化ストレスを減らすためには、栄養バランスの取れた食事が必要になります。

脂肪を燃焼するケトジェニックダイエットは、健康的なダイエット方法と思われやすいですが、思わぬ事態を引き起こす原因になりやすいのです。

ケトジェニックダイエットの副作用とは

ケトジェニックダイエットの副作用

とくにケトジェニックダイエットを長期間行う場合は、定期的にコレステロール値を図りましょう

炭水化物を制限することで、トイレに行く頻度が多くなり、便秘や脱水症状だけでなく『ケトフルー』になる可能性が。

トイレが近いからといって、水分補給を控えることは避けておきましょう。

炭水化物を制限することで、体内に水分を溜めにくくなり、多くの水分が尿として排泄されるため、水分補給をしっかり行うことがケトフルーの予防として重要なのです。

ケトフル以外にも、気を付けないといけない副作用は多くあり、場合によっては命を危険にさらしかねない状態になるでしょう。

短期間の間であれば、吐き気・無気力・ムカつきなどの自覚症状を感じやすいです。

長期間のケトジェニックダイエットを行った場合は、コレステロールの増加やミネラルの欠乏・アシドーシスなどの症状にも気を付けなければなりません。

初期症状として現れやすい、吐き気・無気力・ムカつきなどの自覚症状を感じた時点で、病院に受診し、ケトジェニックダイエットを辞めることをおすすめします。

※コレステロール値を図る時は、掛かり付けの病院に行き血液検査をしてもらいましょう。

ケトフルーとは

ケトフルーとは、ケトジェニックダイエット開始初期の約1~3日後に身体に起こる、不快な症状のことを指します。

ケトジェニックダイエットを行うことにより、今まで糖質をエネルギーに変えていたものが、ケトン体中心のエネルギー代謝に変わることで、身体に不快な症状がおこるのです。

それは身体がケトン体中心のエネルギー代謝に慣れていないことから負担を感じ、頭痛やめまい・下痢などの症状を引き起こします

症状には個人差がありますが、数日~1か月続くこともあるので、症状が3日~5日以上続く場合はいったんケトジェニックダイエットを中止してみましょう。

ケトジェニックダイエットの長期的に続けても大丈夫?

ケトジェニックダイエットの長期的に続けても大丈夫?

ケトン体は『非常用』に体から作られるエネルギーなので、長期間ケトン体を出し続ける事は体に良くありません。

何故かというと、体内にケトン体を蓄積すると酸がたまり、その酸を中和しようと骨からカルシウムが溶け出すからです。

カルシウムが溶け出すことにより、体内のカルシウムやミネラルのバランスが崩れたり、ケトン体が多くなることで生命に影響を及ぼす場合もあります。

心臓疾患を持つ人、糖尿病を持っている場合は、さらに危険な状態になる可能性が高く危険いからです。

ケトジェニックダイエットを行いたいという場合は、事前に医師に確認をしておきましょう。

また、ケトジェニックダイエットを行うときは、専門的な知識を持ったトレーナーと一緒に行うようにし、細心の注意を図ってください。

ケトフルーの症状が出た場合も、自己判断でどうにかしようとせず、医療機関へ受診をするようにしましょう。

ケトジェニックダイエットは、正しく行えば効果的なダイエットの方法ではありますが、一歩間違えると、自身を危険にさらす恐れがあることをしっかりと覚えておいてください。

ケトジェニックダイエットをやる期間○日以内が理想

2017年ドイツが出したケトジェニックダイエットに対する研究結果では、最高で3週間~1ヵ月の期間で行うのが好ましいと発表しました。

1ヵ月以上の長い期間ケトジェニックダイエットを行うと糖新生に筋肉がエネルギーとして分解され、筋力低下につながるからです。

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ケトン体とココナッツオイル(MCTオイル)

ケトン体をより効率よく産生し、脂肪を燃焼させやすい体質を作るために、ココナッツオイルを使うことが効果的です。

ココナッツオイルって体にいいの悪いの?結局どっち!?肌への効果的な使い方は?

にもココナッツの効能について書かれていますので気になる人はチェック。

ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸という、素早くケトン体としてエネルギーに変わるという特徴を持つ成分が多く含まれています。

体内のケトン体濃度が上昇し、エネルギー変換もしやすい環境となるため、脂肪を燃焼させるケトジェニックダイエットには効果的と言われているのです。

ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸が約60%含まれていますが、約100%中鎖脂肪酸で作られている、MCTオイルというものもあります。

中鎖脂肪酸の含まれる割合が違うことで、より多くのケトン体を短期間で生産することができるため、ケトジェニックダイエットを行う場合は、MCTオイルを摂取するのが良いでしょう。

結局はケトジェニックダイエットはやらない方がいいのか?

結局はケトジェニックダイエットはやらない方がいいのか?

健康体の人ならケトジェニックダイエットをやっても問題ありません。

今回の記事では、ケトジェニックダイエットは健康に良くないと言われている訳について解説してきました。

ですが、ケトジェニックダイエットをすることで下記の効果が得られたという発表もされています。

ケトジェニックの効果

・体重減少

・癇癪

・ガン増殖抑制

・アルツハイマー病

・にきび

・パーキンソン病

・心血管疾患

これらのケトジェニックによる効果は医学的にも証明されていますが、まだ解明されていない点も多くあります。

今回の記事で紹介したケトジェニックによるデメリットは、まだはっきりと立証されたものではありませんので鵜呑みにしないで下さい。

確かに、ケトジェニックは長期的に行うことは良くないとされていますし、心臓病・1型糖尿病・2型糖尿病の人には向きませんので注意しましょう。

ですが、それらの事に注意し、ケトジェニックをやる時は最長でも1ヵ月目安にしてやることで、健康的な体作りをすることが可能と言えます。

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